【スイーツ男子コラム】老舗の「和菓子」を食べたら衝撃を受けたお話


 

今回はコラムとして、和菓子について語ってみたいと思います。

和菓子に対するイメージ、皆様はどのように持っておりますでしょうか。
・見た目が地味、オシャレじゃない
・あんこがとても甘くて上品でない
・若者ウケしない
などなど、ネガティヴな見解をする人がいるかもしれません。

しかし、これらのように結論づけて良いものでしょうか。
いやいや、良き和菓子に出会ってから結論づけて欲しいものです。

良き和菓子とは何か、答えは個人差ありますが、真の回答に近いのが「上菓子(じょうがし)」であると私は考えます。
上菓子に出会えば、和菓子に対する見識が間違いなく変わると思います。

 

「上菓子」とはどんなもの?

上菓子とは宮中や公家・茶家(家元)に納めたり、お祝いのためにあつらえたりする献上菓子のことを言います。普段食べる和菓子とは区別されている特別な和菓子なのです。
かつては一般庶民が食べることができない上菓子でしたが、今では一部を除いては誰でもありつくことができるようになりました。

上菓子は一部の工程を除いては全て手作り。手法は色々ありますが職人たちが魂を削って一品一品和菓子という作品を世に送り出していることには変わりがなく、畏敬の念を抱かずにはいられません。

上菓子を扱っているお店は数十年〜数百年続いている老舗であることが多いです。

 

「御菓子司」が上菓子を扱っている目印である!

 

では、上菓子ってどこで扱っているの?と疑問が出てくるかもしれません。
インターネットで検索して探すのでももちろん良いですが、「上菓子を扱ってます」という目印が実はあります。

店名や肩書きに「御菓子司(おんかしつかさ)」と書いてあることです。
・御菓子=上菓子
・司=売る(商売する)
という意味です。

ちょっとした豆知識ですが見たことある人も多いのではないでしょうか。
覚えておいて損はないと思います。

 

上菓子の特徴は?

 

上菓子の肝心の味わいについてご説明しますね。
どんな上菓子も「上品な甘さ、軽やかさ」が特徴であります。
勘の良い人はお分かりでしょうが、元々は上流階級向けの和菓子なので必然的に上品な仕上がりとなっています。
上菓子はお茶会や高級料亭の最後の締めで出されることが多く、お茶や料理の邪魔をしないように軽やかに作るという暗黙のルールがあります。

「上品な甘さ」とは、舌で感じる甘みの余韻が程よいってことになろうかと思います。洋菓子のように強い味わいが主張するのとは対照的です。日本人の奥ゆかしい性格をそのまま反映してるようにも見えて面白いですね。

 

雷に打たれる思いがした和菓子

 

私が和菓子に対する見識が変わった出来事がありました。
2005年のある日、京都にある嘯月(しょうげつ)さんという和菓子店のきんとん(上記写真:中心にはこし餡が入っており周りをこし餡のそぼろで包んでいる上菓子)を食べた時のことです。
約100年ほど続く老舗中の老舗で、もちろん「御菓子司」です。
当時は和菓子に対する認識は良いものはなくてどれも同じでしょ?と思っていたぐらいです。

初冬をイメージして作られているきんとんで、「木枯らし」と命名されています。大地に落ち葉が散っているありさまを繊細に表現していて、美しさに思わず見とれてしまいました。お菓子というよりは芸術品と言っても過言ではないほど。

口当たりが軽く、だんだんとあんこの上品な旨みを感じ、舌の上でサラッと溶けていき最後には清々しい甘味の余韻に浸ることができます。
あんこが涼しげに感じるほどで、実に巧妙な味わいに衝撃を覚えました。
美しい見た目と繊細な味わいが同居する和菓子、本当に傑作でした。

食べている最中に雷に打たれた思いがして、しばし呆然としていたことを今でもはっきりと覚えています。この経験以来、和菓子に対する見識が変わり、いろんな和菓子を食べるようになり、和菓子のいろんな魅力も認識できました。

こんな経験は滅多にできることではないですが、もし経験できれば今後の人生における和菓子との付き合い方が間違いなく変わると思います。

 

まとめ

和菓子の魅力を少しでも伝えたくてコラムを書きました。
皆様の身近にも雷に打たれるほどの衝撃的な和菓子が存在するかもしれませんので、探してみると新たな魅力に気づくかもしれません。
和菓子が苦手な方は嫌いなままでいるよりは、上菓子を試してみてはいかがでしょうか。何か新しい発見があるかもしれませんよ!

次回は有楽町界隈の和菓子店を取材したいと思います。