“ガード下”と耳にしたとき、真っ先にサラリーマンご用達の赤ちょうちん系飲み屋を思い浮かべる人が多いのでは。「おじさんの聖地」として語られることが多かったガード下は、昨今、オシャレなお店も立ち並び、多種多様な空間としてにぎわっています。そのガード下、想像以上に長い歴史をもつことをご存知ですか?今回は、奥深いガード下の歴史をひもときます!
日本で初めて高架下に店舗を構えられる設計で誕生した有楽町駅~新橋駅をつなぐ高架線
有楽町の“ガード下”としてにぎわうエリアは、さかのぼること1910年、日本で3番目に古いJR有楽町駅から新橋駅をつなぐ高架線が完成したことに端を発します。高架下に店舗が構えられるよう設計された初の高架線として、当時大きな注目を集めました。
日比谷側の赤煉瓦アーチ型ガードの正式名称は「第一有楽町架道橋」。設計・ルムッシュテル氏、工事監督・パルツェル氏というドイツ人の両者が担当し、完成当時の姿で現在も現役として愛されています。
ガード下に飲食店を構える概念が存在しなかった当時、いち早く目をつけたのは、創業1920年の「お食事処 いわさき」初代店主・岩崎善右衛門氏。斬新な24時間営業のおでん屋を開業し、ガード下飲食店の歴史の幕があがりました。
戦後、晴海通りと高架が交差する日比谷寄りの路地の一角に移転し、現在は孫にあたる3代目のご主人が切り盛りする同店。有楽町は、同店創業者の先見の明により、なんと約100年の歴史を誇る「日本初のガード下飲食店発祥の地」!覚えておくと、ガード下で飲食を楽しむ際、ちょっとしたトリビアとして自慢できるかも?!
有楽町ガード下が初!初代店主が誕生させた、日本初のガード下飲食店「お食事処 いわさき」
長い歴史をもつ有楽町ガード下とともに歩みつづける「お食事処 いわさき」は、昭和のおもかげを色濃く感じる風情がたまらないお店。やさしいご主人と奥様のおふたりで切り盛りするガード下の生き字引として、常連客を中心に多くの人に愛される名店です。
ぜひ足を運んでオーダーしてほしいメニューは「ワカレ」(税込750円/プラス税込100円でお味噌汁付き)。カツ煮とご飯が提供されるメニューで、カツ丼のカツ煮・ご飯を別々の器に盛りつけたメニューのため「ワカレ」と名づけられた、同店を象徴する名物裏メニュー。
砂糖・しょうゆ・水のみでつくられた濃厚な割り下と、薄い肉を用いた昭和時代のカツ煮がたまらない!「別々に食べたい」という常連客のリクエストにより誕生以来、56年以上変わらない味を守りつづけています。メニュー表にはないので要注意!覚えておいてオーダーしてみて。
このほか、人気定番メニュー「メンチかつ定食」(税込600円)など、なつかしい美味しさを味わいながらほっこりできるばかりか、おサイフにもやさしいリーズナブルさがうれしい「お食事処 いわさき」。周辺に、寿司・郷土料理・イタリアン・ドイツ料理・韓国料理・カフェなどが揃っている有楽町ガード下は、間違いなく“ガード下”のイメージを変えてくれること間違いなし!
今日のランチ・ディナーは、ぜひ有楽町ガード下を開拓してみませんか?きっと新たな発見に出会えるはず!
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