元は旧都庁の駐車場!? “フォーラム裏”をぶらり歩く

国際フォーラム横のきれいなカーブの通り

有楽町から東京方面へ向かう、ガード下に歴史あり!

東京駅方面向かったガード下

JR有楽町駅の国際フォーラム口を出ると右手にドーンと国際フォーラムの“先端”がこちらに向いて建っている。その右手に東京方面へ向かう1本道がある。ちょうどJR線のガード下に飲食店が軒を連ねる通りである。
距離にして200mほどのこのエリアは、かつて東京都庁の西側庁舎が建っていた場所であり、厳密に言えばガード下に沿った飲食店が並んでいたところは都庁の駐車場だった場所だったりする。

この界隈が飲み屋となった頃からお店を続けているという白髪の板前さんに話を聞いてみた。
「1991年に新宿の新都庁に移るまでは、ここは丸の内庁舎だったんですよ。この界隈は都庁移転後にできた飲み屋街だから、そんなに古くはないですよ。といっても、もう20年以上にもなるんですね(笑)」

約20軒ほどの飲食店が並ぶ、この通りは、なんという名前なのだろう。地図には乗っていないが……。
「なんたらストリートなんてシャレた名前なんて、ないない(笑)。う〜ん、強いて言うならフォーラム裏だね、ハッハッハ」

今と昔の狭間を歩くたった200mの飲食店巡り

カーブに沿って立ち並ぶ飲食店

平日の夜ともなると、仕事を終えたサラリーマンで賑わいを見せる、“フォーラム裏”ストリートを休日の昼間に歩いてみた。

街路樹が整然と並ぶが、ガード下のお店は和食、洋食、居酒屋にバーと様々。微妙なカーブを描きながら歩道を進むと、途中にはJRの歴史ある高架下の堅牢なレンガの肌がむき出しになっている部分もある。

レンガ造りの高架

この高架下は1907年(明治40年)の完成であるから、すでに100年以上が経過している。

文化遺産的なれんが造りの“フォーラム裏”ストリートは、意外なほど写真映えがした。すぐ後ろを振り返れば、国際フォーラムの近代建築が見える。

今と昔の狭間を歩き、夕暮れを迎える頃にどこかの店で冷えたビールを飲むなんて、気楽でいい。

あ、私は千葉だから深夜バスあるし、まだ平気!

有楽町発深夜バス

千葉方面ならだいじょうぶ!

久しぶりの友達と会って、おいしい食事に会話もはずんで気がついたらもう、終電ぎりぎり時間。

でも、千葉方面の方なら大丈夫、ご安心ください!

有楽町からは、千葉方面に向かう深夜バスが運行しているんです。

終電をやり過ごして、人通りの少なくなった夜景を眺めながら、落着いてもう一杯なんていいかもしれませんね。

深夜バス時刻表

有楽町からの行き先はぜんぶで6方面

深夜バスの乗り場はすべて、「有楽町マリオン前」

バスは行き先で出発時間が違うので、お間違えなく!

「我孫子駅北口」ゆき

  • ルート:有楽町マリオン前~上野駅~流山おおたかの森駅入口~柏駅西口~柏の葉キャンパス駅東口~我孫子駅北口
  • 出発時間<午前1:00/月〜金>

千葉駅(JR)ゆき

  • ルート:新橋駅~稲毛海岸駅~千葉駅(JR)
  • 出発時間<午前1:10/月〜金>

行き先:京成佐倉駅

  • ルート:新橋駅(JR)~津田沼駅(JR)~京成佐倉駅
  • 出発時間<午前1:10/月〜金>

行き先:JR成田駅西口駅

  • ルート:新橋駅(JR)~津田沼駅(JR)~JR成田駅西口駅
  • 出発時間<午前0:30/月〜金>

千葉ニュータウン中央駅ゆき

  • ルート:有楽町駅~千葉ニュータン中央駅
  • 出発時間:<午前1:00/毎日>

新浦安駅北口ゆき

  • ルート:新橋駅~新浦安駅(JR)
  • 出発時間:1便<午後11:42/月〜金> 2便<午前0:12/月〜金>

今日のイスはどれにしようかな 待ち合わせは地下広場で決まり!

有楽町地下広場

「もう、全然来ない! メール入れても返事ないし!」というイライラMAXなことって、たまーにありますよね。そんな時間を守る立派な方を、有楽町は全力で応援したい!との思いが絶対にあるとしか思えないのが、JR有楽町駅中央口正面の大きな丸い屋根から降りた先にある「有楽町地下広場」です。

有楽町駅前大きな丸い屋根の下

有楽町で待ち合わせをするとき、「じゃあ、大きな丸い屋根の下で待ち合わせってことで」という約束をするのは、よくあるパターン。
しかし! それだと相手が遅れた場合には立って待つ事になる。激しい雨でも降っていようものなら、いくらお屋根が大きくったって吹き込むに決まってます。

そこで、地下広場の登場ですよ!

エスカレーターで降りる

エスカレーターを下りると、かなり広い円形広場がそこにあります。そのまま正面に進めばITOCIAのフードアベニューがあり、左に行けば東京交通会館へ、右へ向かえば東京メトロの駅へと繋がっています。

この広場の何が素晴らしいかというと、ずばりイスの多さ! 都会の有名待ち合わせスポットに、ここまでたくさんのイスがある場所を知りません(あくまで私の意見でございます)。

広場の天井を支える、太い柱というともすれば、空間を圧迫しかねない構造物の周りには、柱の面に沿ってウッディなベンチが並べられています。すごくいい!

それだけではありません。壁沿いには、もっとウッディなというより無垢の木材を使った長いベンチも据えられています。実は、このベンチ、江戸時代にこの場所にあった南町奉行所で使われていた水道管なんだそう。再開発のときに発見されたモノをベンチとして再利用しているのだとか。

さらにさらに! 東京交通会館方面へ抜けるスペースにある表面が木の暖かみのある柱の周りには、どこからから切り出したばかりのような、ひとり用の石のイスが柱を囲むように配置されているではありませんか。

こちらも、南町奉行所跡地から発見された石組みなんだって!

ウッディベンチ、長いウッディベンチ、石イス

公園でもないのにこんなに訪れた人に、「座る」という行為によって、ささやかな安らぎを与えてくれる「有楽町地下広場」。
もう迷わず、待ち合わせはココにしましょう。そして、何時間だって待てばいいのです……いや、それはダメですね。
でも、イライラはいつもより少ないはずですよ。

有楽町駅

神田で30年の伝統カレー専門店が、有楽町に根付くまで

伝統カレー専門店のステーキカレー

ごはんがすすむ、「本物」のトッピング

ふくてい

神田駅で昭和30年代からカレー専門店として多くの人に愛されてきた「ふくてい」。約3年前に神田駅の改修工事のため、有楽町へと移転してきた。

「いまはスパイスが効いたカレーや、インド系のカレーなど様々な専門店がありますが、うちのコンセプトはあくまでもスタンドカレーです。言うなれば誰にでも受け入れられるカレーなんです」(「ふくてい」を運営するメトロ商事の青木部長、以下同)

誰にでも、というのは実は難しい。特徴がなければ忘れられてしまう、ふくていのカレーはそれでも印象に残る何かがある。

「とにかく丁寧に作っています。価格を下げながら美味しい物を作るには、手間をかけるしかないんです。カレーのスープは6時間か7時間はかけて、トリガラをしっかり煮込むところから始めます。
それから、力を入れているのがトッピングです。それだけでもごはんが食べられるようにと、これもすべてキッチンで手作りで作っています」

ステーキカレー

ステーキカレー、トンカツカレーなど、確かにどれもトッピングが大振りで味もいい。

「ステーキは、牛のサーロインを80g使っています。これもその場で焼くのでジューシーさが違います。トンカツカレーもカツカレーではなく、あくまで“トンカツ”なんです。豚肉は冷凍ではなくチルドの肉で、生パン粉を使って揚げ置きせずにお客様にお出ししますからサクサク感があります」

さらに驚くべきはその価格。ステーキカレーで600円、トンカツカレーも500円という有楽町であることを考えると、信じられないほどのコストパフォーマンスを誇る。

「仕入れはもちろん苦労することが多いですが、何より現場で調理しているスタッフの努力のおかげです。うちには入社49年目のベテランがいますが、とにかく丁寧に、でも時間を短縮してカレーを作ってくれていますからね」

東日本大震災がターニングポイント

路地裏でも奥まった場所にある「ふくてい」は、昼時に関わらずいつでもお客さんが出入りしている。
「立地としては、移転してきてすぐは厳しかったですね。

神田でやっていた頃のお客さんもたくさん有楽町にも来ていただいていたんですが、この路地の奥まであまり人は来ませんから、路地の入口に立って呼び込みもしていました。その状況に変化があったのは、実は東日本大震災がひとつのキッカケでもあるんです。あの日は、帰宅困難の方が路地にも大勢いました。もうコンビニにも食べ物はないですから、飲食店はどこも混んでいました。あのときに有楽町の近辺で働いている方に『こんなところにカレー屋があったんだ』と認識されたんだと思います。その後、お客さんが増えていって、徐々に口コミなどで広がって行ったんだと思います。昼時には新橋の方から来てくれる方もいますよ」

昭和30年代から変わらぬ味を作り続ける「ふくてい」。神田から有楽町へと移っても、変わらぬ味がある。

伝統カレー専門店のふくてい

「お客様のなかには、何十年も前に食べた味を求めてやって来られて、涙を流しながら食べて行かれる方もいます。
有楽町は食に関して、超高級店からガード下の庶民的な店まで、ある意味では何でもある街です。
それだけに、この近所で働いている方は美味いものを知っているんです。そこが難しいところではありますが、安くてもしっかりとした付加価値をつけ、そこに丁寧な接客があれば支持していただけるんじゃないかと思っています」

昭和30年代からの歴史に、有楽町での歴史が加わる。「ふくてい」の味は、徐々にではあるが、“神田の味”から“有楽町の味”として人気を得つつある。

カレー専門店「ふくてい」

住所 東京都千代田区丸の内3-6-7
TEL 03-5220-3313
営業時間 [月~金] 11:00~23:00 [土]11:00~21:00
定休日 日曜日
席数 15席
東京都千代田区丸の内3-6-7

いまも有楽町駅前で使われている 南町奉行所の遺構の数々

奉行所の石組み

江戸幕府には、江戸町奉行、寺社奉行、勘定奉行の三奉行があった。江戸町奉行所は、南北に分かれ、江戸の町における行政、司法、警察機能などを管轄し、南と北に分かれ月ごとに交代で執務していました。
1707年に、それまで常葉橋門内に置かれていた南町奉行所が数寄屋橋門内に移され、それ以降、幕末までここ有楽町に置かれていたわけです。

現在、有楽町の駅前広場となっているエリアの再開発が着工する前に、埋蔵文化財の発掘調査が行われ、その際に南町奉行所の遺構が数多く発見された。

駅前広場には、発掘によって出土した南町奉行所の石組みが再現されているのをご存知だろうか。
駅前広場の丸い大屋根を、地下へ下り反対側までぐるりと回っていくと重厚な二段の石組みがある。これこそ、南町奉行所で使われていた石組みである。

遺構はこれだけではなく、まだまだある。今度は丸屋根をくぐって地下広場へ降りて行くと、正面左手に何やら天井までの高さの大きな木枠が壁にはめ込まれている。これは、南町奉行所の地下にあった穴蔵なんだそうな。

なんでも、江戸の町ではたびたび火事が起こっていたが、木造住宅で軒を連ねていた江戸の町では、ひとたび火が出ると延焼範囲が広がることがあった。そのため、貴重品などを収納するために地下に穴蔵を作っていたということで、地下広場でそれを見る事ができる。

また、地下広場にある木製の横長いベンチは、江戸時代の水道管だというから驚く。また、同じく地下広場の木の柱の周りをぐるりと囲むように並べられた石のベンチも南町奉行所跡からの遺構。

それぞれ、江戸時代のものを現代人の日常のなかにうまく取り入れているということ。

もし、ベンチに座ることがあったら、江戸時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

奉行所跡

有楽町駅

パワースポット発見! 天下太平は、有楽稲荷神社のおかげ

パワースポットのありか

JR有楽町線日比谷口を出ると、正面に2棟でそびえる有楽町電気ビルヂングが見える。こんなところに神社があると言われても、にわかには信じ難いほどに都会な雰囲気。さすがにこんなところに……あった。

電気ビル北館の麓にその一角だけ“森”な空気を漂わせている場所がある。朱の鳥居には、「有楽稲荷」と書かれていた。なんとなく、パワースポット的な匂いがしてきた!

それにしても、なぜこんなところにあるのだろう。いろいろ考える前にまずはお参りです。

お稲荷さん

ふと左の足元を見ると、決して広いとはいえない境内には水を満々と湛える手洗い鉢があり、柄杓も置かれていて、なんとも涼しげな表情を浮かべている。

お賽銭を入れて拝む間、左右のお稲荷さんがじっとこちらを見ている。

社は赴きがあり、小さいながらも重厚感のある造りをしている。榊もお供えされており、とても大事に祀られているのがよくわかる。

大事にされているというところにも、パワーを感じてしまうのである。

稲荷たたずまい

さてさてこの神社の由来だが、鳥居の左横に「有楽町稲荷神社由来紀」と銘打たれた銀のプレートがあった。

それによると、この神社は安政6年(1858年、第13代将軍徳川家定の時代)に永井飛騨守が天下太平と子孫繁栄を祈念して創立したというから、いまから約160年前にはこの土地にあったということになる。なかなか歴史がある。

また、豊かに水を湛えていた手洗い鉢は、氏子によって奉納されてもので信仰の篤さが伺える。

そして、しつこいようだがパワースポットたる所以をついに見つけた。由来記にこう書かれている。

「大正12年9月の関東大震災の際にも周囲は皆延焼したにも拘わらず、独り当地は災害を免れました」

この場所だけ焼け残ったなんて、まさに奇跡!

だからこそ、いまでも地元の氏子さんに大事にされ、有楽町という都会のなかにあって、ここはひっそりとした神社の空気を残しているのだと思う。

あ〜、なんか元気とやる気が出てきた! 有楽稲荷様、ありがとうございます!

有楽稲荷神社

都営三田線「日比谷駅」から雨に濡れずに一直線!

都営三田線「日比谷駅」から「有楽町駅」まで一直線!

乗り換え案内 都営三田線日比谷駅―有楽町駅までの正しい使い方

有楽町駅には、JRは山手線、京浜東北線が乗り入れ、東京メトロの日比谷線、千代田線、そして都営三田線の日比谷駅が地下通路で有楽町駅と直結している。

この2駅、5路線を組み合わせると、有楽町駅は実はかなり便利な乗り換えの拠点となる。
ということで、今回は三田線「日比谷駅」から有楽町駅までの地下道を写真散歩していただければと思います。

三田線を降りて有楽町駅へ行くには、「東京国際フォーラム方面」の改札を出て、そのまま直進する。
目の前に見える「D1〜D9」とある方へと行けばいい。目指す有楽町駅は「D7」。東京交通会館は「D8」となっている。
つくづく日本の標識の親切さに恐れ入る。「JR線」の文字さえ見て行けば、たどり着ける。と言っても、ここから先は一直線で楽々!
途中、東京メトロ有楽町線の改札を見ながら、ずんずん進む。
ずっと先まで見通せるまだ人の少ない時間帯。なんだか、清々しい。
途中、順番に若い番号の出口に別れを告げながらも、有楽町駅を目指して進まねばならない!
ビックカメラ有楽町店のB2フロアーにも繋がっている地下道。手前は東京メトロ有楽町線の改札口。
東京国際フォーラムへもアクセス。
やっと着いた「D7」出口!
お次の出口は「D8」東京交通会館です。
「D7」口には、エスカレーターと地上ゆきエレベーターもある。
そして、地上に到着! 目の前には有楽町線の京橋口がありました。歩いておよそ5〜6分で着いてしまう。雨の日には、ぜひ地下道をどうぞ!

「有楽町高架下センター商店会」 にノスタルジーを禁じ得ない!

有楽町高架下

新幹線と在来線、それぞれの有楽町の高架下に伸びる異空間

いつ通り過ぎようとしても、どうしても目が向いてしまうのは気のせいだろうか――。
JR有楽町駅と東京駅をつなぐ高架下にぽっかりと口を開けた“昭和”ノスタルジーへの入口。

有楽町高架下

「有楽町高架下センター商店会」の横断幕が掲げられた門構えは、そこをくぐるとその先は「現代立ち入り禁止」とでも言いたくなるような、有楽町のなかにあって昭和を最も色濃く残しているエリアである。
そのため、外国人旅行者がこの前を通り過ぎるときには、かなりの高確率で彼らはカメラを向ける。

このガード下は、JRの在来線と新幹線の高架の隙間に存在した空間で、ガード下をずっと通っていくと、東京駅方面へと抜けることができる。

この商店会でひときわ目を引くのは、入口から50〜60mほど進んだあたりの左側にある「丸三横丁」である。

在来線の100年以上の歴史を持つ高架下に潜り込むように存在するこの横丁、名前の由来が面白い。横丁を抜けると、東京フォーラムの裏手に出るのだが、この界隈の住所が「東京都千代田区丸の内三丁目」だったことから、丸の内三丁目を略して丸三となった。

丸三横丁には、間口が狭いながらも味わいのある居酒屋が並んでいる。
一瞬、入るのにためらってしまいそうだが、どの店もフレンドリーに迎えてくれる。

さて、元の高架下へ戻りさらに東京方面へ進むと、昭和30年代から変わらぬ味を守り続けるカレー専門店「ふくてい」を通り過ぎる。
ここからしばらくは、飲食店はなく、高架下の屋根もなくなり空がのぞく。

そのまま左手の飲食店の前を行くと、やがて鍛冶橋交差点のガード下へと到着する。

有楽町高架下

普通に歩けばたったの3〜4分の距離も、昭和を感じながら歩いてみると、時間感覚と切り離された不思議な感じがする。もちろん、気になる店があればそこで大いに時間を費やすのもいいかもしれない。

移動手段は電車だけじゃない!? バスで巡るらくちんルート

バスで快適に移動

全6路線で好アクセスの町

有楽町駅に乗り入れるのは、JR山手線やJR京浜東北線、東京メトロ有楽町線の3路線がある。そのほか、東京メトロ日比谷線・千代田線・都営三田線が通っている日比谷駅との連絡もあり、有楽町はどこへでも行きやすい好アクセスのエリアといえる。全部で6路線もありとても便利だが、実は、バスでの移動もなかなかおもしろく、使い勝手がいい。

東京駅から有楽町駅までは、電車で一駅。15分ほどかけてお散歩がてら歩くのも楽しいが、バスのちょっと高い車窓から外を眺めてみれば、いつもとは違う新しい町の一面を発見できるかもしれない。

東京駅と湾岸エリアをつなぐ“都バス”

「東京駅丸の内南口」発の都営バスに乗り込むと、次の停留所は「東京国際フォーラム前」。大小7つのホールや会議室があり、音楽や演劇などの様々なイベントを開催していることでお馴染みのコンベンション&アートセンター・東京国際フォーラム。フリーマーケットや骨董市など、チケットなどがなくても楽しめるイベントも盛りだくさんだ。そこから新東京ビル、新国際ビルの横を通って中央西口側の「有楽町駅前」へ。停留所近くのよみうりホールでは音楽や演劇のほか、寄席やお笑いイベントなども行われている。

その後、バスは有楽町駅の銀座口側へ。有楽町マリオンや有楽町イトシアなどの商業施設が集まる「数寄屋橋」に停車。その先は「銀座四丁目」へ向かい、「築地」「勝どき駅前」などを通って湾岸エリアへと走っていく。

といった具合に有楽町発で湾岸エリアへ行くというのも、もちろんアリだけれども、実は、その逆、つまり湾岸エリアからバス1本で有楽町へ戻ってくるのにとても使い勝手がいい。

例えば、東京ビッグサイトのイベント後に食事をするとなると、正直、お店選びというほど、国際展示場駅周辺に選択肢はない。そこで都営バスである。イベントの余韻に浸りながらバスに揺られ、湾岸エリアを抜けて飲食店が多く集まる有楽町へと1本で戻る。

ちなみに、今年4月からの改定後の運賃は、大人210円(ICカード206円)、子ども110円(ICカード103円)。23区内の一般系統の統一価格になっている。

無料の巡回バスで有楽町から丸の内や大手町方面へ

有楽町エリアを走るバスは、都バスだけじゃない。大手町・丸の内・有楽町を結ぶ無料巡回バス『丸の内シャトル』を知っているだろうか。

東京駅前の「新丸ビル」前から、「東京サンケイビル」「読売新聞」「東京會舘」「日比谷」などを廻り、有楽町駅前の「新国際ビル」前に停車。そこから東京駅方面へ廻る、1周約35~40分のルート。朝10時から夜20時まで、約15分間隔で運行している。無料巡回バスのホームページでは、パソコンや携帯電話からバスの位置や各停留所の待ち時間を調べることができるサービスもあるので、リアルタイムの運行状況をチェックできて便利。なにより、地元企業の協賛により、誰でも無料で乗ることができるのも嬉しい。お買い物や観光の際に、是非、活用してみよう。