JR有楽町線日比谷口を出ると、正面に2棟でそびえる有楽町電気ビルヂングが見える。こんなところに神社があると言われても、にわかには信じ難いほどに都会な雰囲気。さすがにこんなところに……あった。
電気ビル北館の麓にその一角だけ“森”な空気を漂わせている場所がある。朱の鳥居には、「有楽稲荷」と書かれていた。なんとなく、パワースポット的な匂いがしてきた!
それにしても、なぜこんなところにあるのだろう。いろいろ考える前にまずはお参りです。
ふと左の足元を見ると、決して広いとはいえない境内には水を満々と湛える手洗い鉢があり、柄杓も置かれていて、なんとも涼しげな表情を浮かべている。
お賽銭を入れて拝む間、左右のお稲荷さんがじっとこちらを見ている。
社は赴きがあり、小さいながらも重厚感のある造りをしている。榊もお供えされており、とても大事に祀られているのがよくわかる。
大事にされているというところにも、パワーを感じてしまうのである。
さてさてこの神社の由来だが、鳥居の左横に「有楽町稲荷神社由来紀」と銘打たれた銀のプレートがあった。
それによると、この神社は安政6年(1858年、第13代将軍徳川家定の時代)に永井飛騨守が天下太平と子孫繁栄を祈念して創立したというから、いまから約160年前にはこの土地にあったということになる。なかなか歴史がある。
また、豊かに水を湛えていた手洗い鉢は、氏子によって奉納されてもので信仰の篤さが伺える。
そして、しつこいようだがパワースポットたる所以をついに見つけた。由来記にこう書かれている。
「大正12年9月の関東大震災の際にも周囲は皆延焼したにも拘わらず、独り当地は災害を免れました」
この場所だけ焼け残ったなんて、まさに奇跡!
だからこそ、いまでも地元の氏子さんに大事にされ、有楽町という都会のなかにあって、ここはひっそりとした神社の空気を残しているのだと思う。
あ〜、なんか元気とやる気が出てきた! 有楽稲荷様、ありがとうございます!
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