明和電機の新作も!「無印良品と明和電機をくらべた展」レポ&見どころを聞いてきた


 

無印良品 有楽町2F「ATELIER MUJI」 にて開催中の「無印良品と明和電機をくらべた展 ナンセンス計測のこころみ」
(開催期間:6月30日金〜8月27日日10:00〜21:00)

生活に密着した「無印良品」と、芸術的インスピレーションを生かし、大胆な発想で物作りをする「明和電機」のコラボレーション。両者がタッグを組んだ経緯や展覧会の見どころについて、ATELIER MUJI シニア・キュレーターの鈴木潤子さんにお話を伺いました。

 

「無印良品と明和電機をくらべた展」開催のきっかけ

 

鈴木さん(以下、鈴木):無印良品は物を作ってお客様に届ける仕事をしています。私たちの場合は『商品』という形ですが、明和電機さんの場合は、中小企業という日本の社会のモジュールを芸術家の方が纏って作品を作っていらっしゃいます。物が生まれるということにおいては同じですし、でも作品だけを見ると違う形になっていて。何を考えて何を作って、何を使うかみたいな、当然のことなんですけど、生活する中でなかなかちゃんと考える機会がないので。そういったことにフォーカスする展覧会になればいいなと思っていました。
その中で、明和電機さんの活動を拝見して無印良品とは『近くて遠い、遠くて近い』という存在だなと思い、こちらから明和電機さんへ、こういうテーマで展覧会をしませんかとお誘いしたのがきっかけです

 

無印良品のジャケットと明和電機の青い作業服

 

ーーこの二つのジャケットが象徴的ですね。

鈴木:そこで、明和電機の社長、土佐信道さんとの打ち合せの中で、両方を比べる、商品を比べるという展覧会はどうだろうということで、最終的なフォーマットになりました。作品は、全て土佐さんが選んでいます。

ーー土佐さんのチョイスなのですね。

鈴木:コモンセンスとナンセンスっていう常識と超常識、非常識じゃなくて常識を超える物作りということで、まず『電気コード』。日常で使うことの多い商品だと思うのですが、両者において結局考え方とか結果が違いますね、っていう思考実験なんですが「ここから先はみなさんに考えてもらった方が楽しいよね」ということで、テーマとそれぞれの商品の説明を、無印良品は無印良品の説明、明和電機さんは明和電機さんの説明、ということで見ていただき、考えていただけるようにしています。

 

「電気コード」という同じ用途の製品でもこんなに違う

 

鈴木:これはかなり象徴的な物で、チラシやポスターにもなっているのですが、同じ電気コードでも、角度がこれだけ変わっていくという。この調子で順々に無印良品の7000品目ある商品の中から明和さんが「これとこれをこれをくらべたら面白いよね」という物を選んでくれています。

今回の展覧会のために明和電機の新作『シュポンヌキ』も登場。ただの栓抜きではなく、ビールのCMなどで耳にする「シュポン」という音を増幅させるための、気持ちよく栓を抜くという作品。

「土佐さん曰く、何年も前から考えていらしたのだそうです。今回、無印良品と展覧会を行うに当たって作品化していただきました」と鈴木さん。

 

もしも無印良品が◯◯を作ったら

無印良品が現在のところ作っていない商品の一つが楽器。言われてみれば見たことがないなと思わぬ発見。

鈴木:生活に必要な物を作る無印良品のコンセプトの中で、楽器は生活雑貨ではなく、むしろ趣味のものであったりするのですが、土佐さんが『もしも無印良品が楽器を作ったら』というもしもコーナー的な考え方において作ったのが文庫楽器です。
無印良品では、今年から文庫本を出版しているのですが、それを模した楽器です。電子音楽ではなく、暮らしに根付いた民族音楽が、有機的で温かみがある無印良品らしい楽器ということで、オカリナ、カリンバなど4種類作っていただきました。

 

どんな音がするか想像できますか?

 

無印良品のアナログ楽器に対して、明和電機は電子楽器の「オタマトーン」。

鈴木:オタマトーンは明和さんを代表するガジェットの一つですが、楽器一つでも全然違うというということを土佐さん側から表現していただきました。ここでしか見られないですし、無印良品とコラボレーションしたからこそ考えていただけた作品だと思います。

「明和電機さんの作品のすごいところは使えるところ」と鈴木さん。オタマトーンや無印良品の楽器などは実際に試すことができるので、ぜひこの機会に触れてみてください。

また、モニターでは明和電機作のビデオ放送も。作品の背景の説明から思考プロセスなど、明和電機の手の内がギュッと詰まった9分間は必見です。

 

普段の生活がグンと面白くなるナンセンス発想術

今回、初お披露目の「シュポンヌキ」をはじめ、時計や電卓など身近な物との比較には思いもよらぬ発見があってどれも楽しい 展示も段々と高度になっていく仕組みになっていくので、土佐氏の意図をどれだけ読み解けるのか、挑戦するスタンスでも楽しめます。

物を並べて見くらべる、一見静かそうに見える展覧会ですが、脳も心も刺激されて関心しきり。大人しくしていましたが、心の中ではかなりテンションが上がっていました。

展覧会の他に、明和電機の土佐氏が講師を務める「明和電機のナンセンス発想法」と題したワークショップも開催予定。対象は高校生以下、参加費無料保護者同伴可能なので、夏休みの自由研究にも役立ちそうです。

 

鈴木:人間がすごく物を使う動物なんですけど、意識しないことを意識することによってちょっと面白いことがありますし、逆にそうやって物を考えた時に「物と自分との関係性」みたいなこともほんの一瞬かもしれないけれど、ちょっと変わるような気がしています。

巷では断捨離という言葉が聞こえてきますが、量や値段で良し悪しをはかるのではなく、違った角度から向き合ってみてはと鈴木さん。

「どういう人がどうやって作った物を自分はどうやって使いたいか、そういうことを考えると生活が面白いんじゃないかなと思います。必要なタイミングやお値段とか、そういうことでお買い物をされると思いますが、展覧会がお買い物と違うのは、こういう額を作って物を考えて見たり眺めて見たりするところが違うところです」

 

展覧会を通して、くらべてみることの面白さや斬新な発想に刺激を受けましたが、もう一つお土産が。
思考実験の延長として「ナンセンス発想シート」というワークシートがもらえます。
考えた「おかしな◯◯を」はウェブサイトに投稿することができます。

投稿はコチラ→https://maywadenki.tumblr.com

みんなの「おかしな発想」がウェブ上で共有されているので、会場を後にしてからも楽しめるところもさすがです。
『無印良品と明和電機をくらべた展 ナンセンス計測のこころみ』展は、無印良品 有楽町2Fにて8月27日(日)まで。

 

『無印良品と明和電機をくらべた展 ナンセンス計測のこころみ』展
公式サイトはコチラ→https://www.muji.com/jp/events/7108/ (公開中)
会場:無印良品 有楽町 2F ATELIER MUJI

〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-8-3 インフォス有楽町 無印良品 有楽町2F
会期:2017年6月30日(金)〜8月27日(日)全59日間
※店舗休館の場合は、それに準じます。

開場時間:10:00-21:00
入場無料
お問合せ:http://www.muji.com/jp/events/ateliermuji/
主催:無印良品企画
運営:株式会社良品計画 生活雑貨部企画デザイン室・無印良品 有楽町 ATELIER MUJI
企画協力:明和電機、グラフィックデザイン:中村至男、写真:三橋純

 

【これから参加できるイベント】
満席の場合でもキャンセルが出る場合があるので、狙っているイベントはこまめにチェックを!

■ワークショップ
「明和電機のナンセンス発想法」
明和電機の製品開発の発想プロセスをもとに生まれた「おかしな発想法」。
A4サイズの紙とペンがあれば、誰でもできる発想を体験します。
発想の原点となる自分の中にある「世界の感じ方(フィーリング)」を、社長と一緒に発見していくワークショップです。

日時:2017年8月5日 (土) ①13:00〜14:30  ②15:30〜17:00 (各回受付は開始の20分前から)
会場:ATELIER MUJI
対象:高校生以下定員各回25名 (要事前予約)
※10歳以下のお子さんは、保護者同伴でお願いします。
参加費無料
講師:土佐信 道明和電機代表取締役社長
※7/3(月)より募集を開始致します。 募集は締め切りました。

 

■クロージングトーク
「くらべた展が、終わったら」
本展のアーティストとグラフィックデザイナーが、これから、そして未来について語ります。
日時2017年8月26日 (土) 19:00〜20:30  (受付は開始20分前から)会場ATELIER MUJI定員45名 (要事前予約)
参加費無料
登壇者:土佐信道明和電機代表取締役社長、中村至男グラフィックデザイナー
※7/24(月)より募集を開始致します。

『無印良品と明和電機をくらべた』展 公式Webサイト https://www.muji.com/jp/events/7108/
【ATELIER MUJI】 http://www.muji.com/jp/events/ateliermuji/

 

 

(取材・文/有楽町today編集部 田幸)

 

有楽町トゥデイ編集部
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